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今年の夏ごろ、定例の革の展示会の会場をブラブラと一人で流していました。革の展示会って同じような革ばかりが出展されていて、気を入れて見ているととても疲れてしまうのです。だからいつも気の入っていない、やる気がまるでない態度で会場をほっつき歩いています。そんなときになにげに目に飛び込んできた革があります。革がいいとか珍しいというのではなくて、妙に目に焼きついて離れないのです。それがシロです。
ぼくは目立つということが好きで、後先考えずにたまにとんでもない冒険をしてしまいます。とくにシロい革は昔からなぜか好きで、数年ごとにまるでそんなサイクルがあるかのように、定期的に色々な素材でシロを作ってしまいます。いつかはリザードのシロを作って・・・あれは大失敗だったな。 さっそく展示会場をあとにして、いつもの友人の革屋さんに直行です。「プルアップでシロを作りたいのだけれど」。あっ、プルアップってタンニンなめしでオイル仕上げの革の総称です。友人は答えます。「ウーン、聞いたことがないけれど、とりあえずイタリアに聞いてみましょう」しばらくして「やっぱり無理だといっている」と言われてしまいました。でも頭の中はシロい革で一杯になっています。「もうなんでもいいから白いサイフを作ろう」 そして妥協して強制してまた妥協して、こんなサイフができました。けっこうカッコいいでしょ。 追記:タンニンなめしの革って、何も染めたりしなければベージュなんです。だからよく見かける白ヌメが革本来の色といっていいでしょう。白ヌメもすこし色を乗せて、お化粧しているものの方が多いとは思いますけれどね。だからベージュよりも薄い色に染めたいときには、顔料を乗せて染めなければできないのです。それがプルアップで白い革はできないという理由です。 アイソラ株式会社 久野 康一
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