通販は考えたくなかった
財布を作るときには「大割り」といって、まず丸革のときに革の厚さを整えてから各パーツに抜きます。そして「スキ屋」さんがヘリなどを漉いてから職人が組み立て始めます。ぼくが初めてサイフに携わったときは、「大割り」は0、9mmから1、0mmの厚さが常識でした。そうするとどんなに良い革を使っても触感が似てしまって革の良さが出てこないのです。
ある日「HIRO」に相談しました。「せっかく良い革を使うんだから、もう少し厚みを出して革の味をだそうよ」「う~ン、ちょっと作りにくくなるけどやってみるか」そしてサンプルができたら、いいんですよ、これが。そしたら今度は「スキ屋」さんからクレームです。「スキ屋」とは作りやすく、又きれいなサイフができるように各パーツのヘリなどを薄くする職人です。「ダメだよ、こんなに厚ズキじゃきれいなヘリにならないよ」「そこを何とかお願いします」
こんなことを経験しながら、いまのアイソラのサイフが出来上がったんです。だからアイソラはずっと通信販売を考えてこなかったです。店頭で触って、手にとって、気に入って、買ってもらいたいんです。近くに取扱いショップが無い地方にお住まいの皆さんには、ずっと不便を掛けているのは充分承知していました。でもこれが本心だったのです。
ある日「HIRO」に相談しました。「せっかく良い革を使うんだから、もう少し厚みを出して革の味をだそうよ」「う~ン、ちょっと作りにくくなるけどやってみるか」そしてサンプルができたら、いいんですよ、これが。そしたら今度は「スキ屋」さんからクレームです。「スキ屋」とは作りやすく、又きれいなサイフができるように各パーツのヘリなどを薄くする職人です。「ダメだよ、こんなに厚ズキじゃきれいなヘリにならないよ」「そこを何とかお願いします」
こんなことを経験しながら、いまのアイソラのサイフが出来上がったんです。だからアイソラはずっと通信販売を考えてこなかったです。店頭で触って、手にとって、気に入って、買ってもらいたいんです。近くに取扱いショップが無い地方にお住まいの皆さんには、ずっと不便を掛けているのは充分承知していました。でもこれが本心だったのです。
アイソラ株式会社 代表取締役 久野康一