お手入れ法 |
お手入れのためにはまず革を知ることからはじめましょう。革のなめし方には大別して2つの方法があります。ひとつは世界中の様々なエリアで古来より行われている植物性タンニンを使った方法です。おもに栗やミモザ(アカシア)などのタンニンを使います。熱帯地方ではマングローブなども使われています。
もうひとつが近年ドイツで軍需用に開発された鉱物性の三価クロムを使う方法です。この方法は大量生産には適していますが廃液を処理したり、ごみになった革製品を燃焼させると三価クロムが毒性の強い六価クロムに変わってしまいます。 当社の使用している革は、ほとんどが自然から抽出した植物性タンニンなめしです。この方法は革本来の風合いを最大限生かすことができますが、逆に革の弱点がどうしても出てしまいます。ひとつには水分に弱いこと、また退色しやすいこともそのひとつです。アイソラはこの植物性タンニンなめしの革に対して、基本的にはお手入れはしない方が良いと考えます。革は使い込んでいるだけで味が出てきます。 自然の風合いを生かしたタンニンなめしの革の製品は、手の脂や空気、日光などを吸い込んでだんだんと色が変化してきます。是非その過程をお楽しみください。左の写真は(※)コスティール社(仏)のヌメ革を使用した当社の製品です。 (※コスティールの革を使用した製品の生産は終了しました) |
1:水分を避けるようにしてください。
万一濡れた場合は乾いた柔らかい布で軽くふき取り、風通しの良い場所で陰干ししてください。 2:他のものとの強い摩擦を避けてください。 深みのある色を出すため染色剤を多く使い、また革の風合いを生かすため必要以上の色止め加工をしていないので、摩擦や水分を含んだときなど色が移行することがあります。色の薄いものとの摩擦に充分注意してください。 3:汚れ落としや洗剤などは使用しないでください。 汚れた個所は、消しゴムで目立たなくできる場合があります。 4:日頃のお手入れは乾いた柔らかい布で優しく拭いてください。カリオカとブライドルレザーは、馬毛ブラシ(No1530)のような毛足の長い柔らかいブラシで、軽くブラッシングを行って頂きますことをおすすめいたします。革サイフは使い込んでいくほどに手の脂で馴染んで、自分だけの財布に育っていきます。 5:お手入れに推奨しているクリームやスプレー等のケア用品はございません。 同じ皮革製品の靴、コート、鞄などと違い、直接手に触れる部分の多いサイフは少し扱いが違うと考えています。革は同じレシピで加工しても、1枚1枚の表情や質感が微妙に異なります。また同じ1枚の革でも、違う部位から各パーツを使ってサイフを組み立てるので、完全に同じ革というのはありません。人の皮膚も一人一人が違うのと同じです。だから、クリームやスプレー等はおすすめしていません。ましてや万能レザークリームのようなものはもってのほか。アイソラの商品には推奨できません。またクリームが原因で予期せぬ色移行なども起きる場合があります。もし市販のケア用品を用いてお手入れされる際は、ケア用品の取扱い店や、製造販売元にご相談の上、お客様ご自身の判断でお使いいただくようお願いしております。 6:金属摩耗での金具や引手の故障といった不具合が生じた場合には 長い間ご使用いただくと金属摩耗はおこります。そのような不具合が生じた場合には、ご購入店を通してご相談ください。またこの他にも合皮裏地の破れなど、可能な限りメンテナンスのご相談を承ることも可能です。ありがたいことに、アイソラのサイフは何十年もお使い頂いたサイフもメンテナンスのご相談いただく事もあります。(※状態によってはメンテナンスを承れない場合もございます。) 特にカリオカ、ブライドル、ホワイトワックスのお手入れ方法は、〇カリオカのお手入れ
タオルやブラシでブラッシングを行ってください。 ちょっとしたキズも軽くブラシをかけると、カリオカに含まれているオイルによってキズが馴染んで目立たなくなります。 深いキズの場合は、ブラッシングである程度目立たなくなります。使い込んでいくとオイルが馴染んで、自分だけの革の味(経年変化)となっていきます。 カリオカのジャバラ小(No0905)にブラシをかけました
↓↓↓動画の再生ボタンをクリックしてください。↓↓↓ 〇ブライドルレザーのお手入れ
タオルやブラシでブラッシングを行ってください。また使い込むと革はピカピカに光って、きっとその時にはもう一度、「持っていてよかった」と思ってくれるはずです。なお、ブライドルレザーにはクリームやスプレー等のお使いはおやめください。ブライドルレザーにはパラフィンが含まれています。このパラフィンに対してクリームなどケミカルなものを与えると、予期せぬ色移行や変質が起きてしまう可能性があります。 〇ホワイトワックスのお手入れ ホワイトワックスはブライドルレザーなどと同様、表面にパラフィンを塗って銀面を保護しています。お手入れはあまり気にせず、軽くタオルやブラシでブラッシングを行う程度にしてください。ホワイトワックスはお使いになれば、摩擦などによってパラフィンが剥げ落ち、脂分などを吸って経年変化する素材です。パラフィンが剥げ落ちるに従い、つやが出てきて、なんとも言いがたい面白味が出てきます。 なお、クリームやスプレー等のお使いはおやめください。革に含まれているパラフィンに対してクリームなどケミカルなものを与えると、予期せぬ色移行や変質、シミが起きてしまう可能性があります。 (参考記事)経年変化~試してみました!ホワイトワックス グレー |