スタイルって言葉を知りました
若者(言っているぼくが恥ずかしくなる言葉だな)、ヤング(こりゃ死語だ)、最近の人たち(これで行きましょ)最近の人たちの使っている「スタイル」って言葉、知っていますか。もう半年くらい前になるけれどTVのスポーツチャンネルでスノーボードの番組を見ていました。耳ピアスのオニイサンが生意気な口調でペラペラしゃべっているのを見て、「なに言ってるんだ、こいつら」とチャンネルを換えようと思っていたときです。「○○さんってスタイルあるよね」とか「俺もスタイルのあるボードを目指しています」とか言っているんですよ。「スタイル」ってぼくはとても古臭い響きを感じるのだけれど、最近の人たちはとてもいい意味に使っていたのです。
ビームスってもうン10年前にセレクトショップという新しいビジネスモデルを作りましたよね。そしてユニクロもベーシックカジュアルの価格訴求型ショップという新しいモデルを完成させました。この2つのモデルの差が「スタイル」じゃないかなと思います。ユニクロは低価格なベーシック良品を前面に打ち出すことで商品の背景を見えないようにしているのに対して、ビームスは商品の持つ広がりを大事にして買い手側にもわかるようにしているのではと思います。もちろん社会に対するインパクトでははるかにユニクロのほうが影響はあるのだけれど、「スタイル」という意味ではビームスの勝ちだな。 自然体っていうのかな、会社の規模や扱っている商品やそこで働いている人が全体に調和がとれているというのかな。人でいうと仕事も遊びもファッションや住んでいる所までもが独自性を持ってバランスを保っているというのかな。そんなぼくにとっても理想的な姿が最近の人たちの言う「スタイルがある」という言葉なのかなと思います。 最近新聞やTVでよく「新しいビジネスモデルを作らなければいけない」などとよく言われていますよね。でもぼくは相変わらずへそ曲がりだから、ちょっと違うんじゃないかと思い続けていたんです。数年前にお取引先の人と話していて、「アイソラ(isola)ってカッコいい会社を目指しているんですよ」と言ったことがあります。とても軽々しく聞こえるけれど、ぼくはもともと軽薄な人間だからそれもいいか。でもスタイルを持っている会社ってカッコいいじゃないですか。 新しいビジネスモデルを作るというよりも、スタイルのある会社になることをみんなが目指していけば、同じような会社ばっかりに見える現状がどんどん変わるんじゃないのかな。ぼくはそんなことを思いながら、いつか外部の人がアイソラを見て、「この会社ってスタイルがあるな」といわれるような会社になることを目指して、少しづつでも努力していけばいいということにしておきましょう。 2011年9月23日
アイソラ株式会社 代表取締役 久野康一 |