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アイソラの財布ができるまで

【アイソラ 財布の製作工程】

1:裁断
革を各パートに切りぬく工程です。革には「目」といって伸びやすい方向があります。 また商品には不向きな生来の傷などもあるのでほとんどは「抜き屋」と呼ばれる専門の職人に任せます。アイソラの使っているヨーロッパから輸入した革は、とても傷が多いので、抜き屋泣かせです。刃型を使い油圧で動くクリッカーという機械で抜いていきます。

2:漉き(スキ)
「へり」やかぶせなど曲げるところの革を薄くする工程で、専門の職人でなければできない工程です。外国では重視していない作業ですが、日本の、特に「紳士物の職人」と呼ばれる人たちは大変気を使っています。

3:ヘリ返し
ヘリの部分を巻き込んで糊付けする工程で、一方切りっぱなしのまま断面を磨く「切り目」という方法もありますが、今の日本のサイフのほとんどは「ヘリ返し」です。イタリアの革はオイルを多く含んでいるため糊付きが悪く、ヘリ返しが終わってもすぐにはがれてしまいます。そこで職人は糊に工夫します。基本的にゴム糊かボンド系の糊を使いますが、それを混合して作り、比率は企業秘密です。

4:寄せ
へり返しをして余った角の革を温度を上げたコテを使ってヒダ状に寄せることを言います。 その形状から菊寄せまたは角寄せなどといわれますが、職人技の優劣がはっきりと出るところです。 外国の商品は4~5回で寄せてミシンでかぶせてしまう方法をよく目にしますが、アイソラの職人さんたちは13回のきざみで寄せます。

5:ミシンがけ
丈夫なナイロン糸を、モーター付きの工業用ミシンで縫っています。

6:ねん引き
糊付けしミシンをかけた後、温度を上げたコテでヘリを押さえていきます。熱が高いので革の表面が焦げて、ヘリに沿ってきれいなラインが引かれます。メリハリが効いてきてすっきりと仕上がるうえに、熱によって糊付けが強固になりはがれにくくなる効果があります。

7:仕上げ
ホックを打ったり糊を拭いたり、作業中の汚れを落としてようやくもうすぐ店頭に出て行きます。